ルーキー左腕2人が、開幕戦で歴史的勝利
2026年のNPB開幕戦では、巨人の 竹丸和幸 とロッテの 毛利海大 がともに先発して勝利を挙げました。竹丸は阪神相手に 6回3安打1失点、毛利は西武相手に 5回4安打無失点。
スポニチによると、新人の開幕投手が勝利したのは2リーグ制以降で1958年以来の出来事で、しかも 2人同時 となると 74年ぶり2度目 の快挙。
巨人・竹丸については 球団初の“新人開幕戦先発勝利” でもあります。
これは単なる好投ではなく、「今年は新人投手がいきなり戦力になる」ことを示した、開幕週最大級のニュースです。
開幕戦① 巨人 vs 阪神
3月27日(金) 東京ドーム
阪 000 100 000 |1
巨 200 100 00X |3
勝ち投手:竹丸和幸(巨人)
負け投手:村上頌樹(阪神)
セーブ :田中瑛斗(巨人)
HR:
巨 キャベッジ 1号(1回裏ソロ)
巨 ダルベック 1号(4回裏ソロ)
竹丸和幸
竹丸和幸の白星は、巨人ではドラフト制以降で初の「新人開幕投手」であり、さらに その新人開幕投手が勝利投手になるのは球団初 でした。巨人で新人が開幕投手を務めたのは、2リーグ制以降では 1959年の伊藤芳明、1962年の城之内邦雄に続く3人目。ただし、伊藤は勝敗なし、城之内は敗戦だったため、竹丸が初めて“新人開幕先発勝利”を成し遂げたことになります。日刊スポーツはこれを「65年のドラフト制導入後では球団初」、スポニチは「球団初の快挙」と整理しています。
竹丸の投球で何がすごいのかを一言でいうと、球威とチェンジアップの落差です。今春の実戦では最速152キロの直球を持ちながら、決め球として チェンジアップ を非常に有効に使ってきました。開幕前の時点で、今春実戦 18回1失点、防御率0.50、スライダーとチェンジアップで三振を積み上げてきました。つまり竹丸は、ただ球速があるだけではなく、真っすぐと遅い球の落差で打者のタイミングを壊せる投手です。
もうひとつ大きいのは、マウンド上の落ち着きです。報道では一貫して、竹丸は「ポーカーフェース」「表情を崩さない」と描写されています。阿部監督も、開幕投手に抜てきした際に「負けたら僕の責任だと思って、思い切って投げてほしい」と背中を押していました。実際、楽天とのオープン戦では「勢いはそんなによくなかったが、精度は前回よりよかった」と自分で修正点を言える冷静さがあり、開幕戦でも4回に1点を失ったあと 5回以降は安打を許さず まとめています。これは新人投手にありがちな“ひとつ乱れると止まらない”タイプではなく、試合の中で自分を立て直せる投手 だということです。
開幕戦② ロッテ vs 西武
3月27日(金) ZOZOマリン
西 000 000 100 |1
ロ 010 100 01X |3
勝ち投手:毛利海大(ロッテ)
負け投手:渡邉勇太朗(西武)
セーブ :横山陸人(ロッテ)
HR:
ロ ポランコ 1号(8回裏ソロ)
毛利海大
毛利海大も、かなり中身の濃い“新人開幕勝利”でした。
毛利は 3月27日の西武戦で開幕投手を務め、5回70球、4安打1四球、2奪三振、無失点でプロ初勝利 を挙げました。ロッテで新人が開幕投手を務めるのは 球団史上76年ぶり と報じられていて、その大役をきっちり白星につなげたこと自体が大きいです。試合はロッテが西武に 3-1 で勝ち、毛利は先発としてゲームを壊さず、勝ちパターンにつなぎました。
竹丸が「球威とチェンジアップの落差」で打者を迷わせるタイプだとすれば、毛利のすごさは “左腕なのに球種の使い分けがすでに高い完成度を誇っており、しかもゾーンで勝負できる” ところです。開幕前のオープン戦では、毛利は 直球、カーブ、ツーシームの“三本の矢” を使って楽天打線を3回1安打無失点に封じました。このときサブロー監督は「度胸もあるし、制球も良いし、決め球もある」と評価していて、単に速いだけの新人ではなく、球種の組み立てで勝負できる左腕 として見ていたことが分かります。
もう一つ、毛利の良さは 修正力 です。オープン戦の西武戦では4回2失点で、本人も「四球からの失点」「回の先頭の入り」を課題に挙げていました。つまり開幕前には、走者を出した後やイニングの入りに課題があった わけです。ところが開幕戦では、その西武相手に5回無失点。完全に圧倒したというより、前回見えた課題を踏まえて、同じ相手にゲームを作り直したのが大きいです。これは新人としてかなり評価できるポイントです。
球種面でも、毛利はかなり厄介です。2月の対外試合デビューでは、146キロの直球でバットを折らせ、さらにカーブ、ツーシーム、スライダーも交えて打ち取ったといいます。つまり打者目線では、左腕から来る真っすぐだけに絞りにくい。3月初旬の楽天戦でもツーシームで空振り三振を奪っていて、“左投手の真っすぐ対策”をしてきた打者にも、沈む球や緩い球を混ぜてタイミングを外せる のが強いです。
参照:毛利海大『76年ぶり新人開幕登板…5回無失点で白星発進の快挙!!』《THE FEATURE PLAYER》
新人だけじゃない!今年は投手陣が大暴れ!ブレイク間違いなし剛腕投手たちを一挙紹介!
1. 栗林良吏(広島)
いちばんインパクトが大きかったのは栗林。3月29日の中日戦で、先発転向後初登板にして9回95球1安打無四死球無失点9奪三振の完封勝利(準完全試合およびマダックス達成)。試合は広島が 1-0 で勝っていて、援護はわずか1点だけでした。つまり栗林は、先発として初めて立ったマウンドで、その1点を最後まで守り切ったことになります。内容的にも、被安打1で奪三振9なので、単に粘ったというよりかなり支配的でした。先発転向をいきなり大成功に収め、広島には新たなエース格として今季活躍していくこと間違いなしです。
2. 九里亜蓮(オリックス)
オリックスの久里も分かりやすく“もう大活躍している”と言えます。3月28日の楽天戦で、9回4安打無失点、12奪三振、132球で完封勝利。これは 自己最多の1試合12奪三振 で、しかも 毎回奪三振。さらに、この試合では 今季から実戦投入したナックル も交えていたと報じられています。もともと九里は「イニングを食う」「大崩れしない」タイプの印象が強い投手ですが、今回の登板はそれに加えて三振でも圧倒したのが大きいです。つまり九里は、ただタフなだけでなく、球種の幅を増やしながら空振りも取れる状態でシーズンに入ってきている。ナックルという新たな武器を手に入れて今季ブレイク間違いなし、絶好のスタートを切ったと言えるでしょう。
3. 高橋遥人(阪神)
“ブレイク”というより、完全復活から一気にエース級へ行くかもしれない投手 として注目です。3月28日の巨人戦で、9回3安打無失点の完封勝利。試合は阪神が 2-0 で勝ち、高橋は最後までゼロを並べました。スポニチは、8回に打球が左膝へ当たるアクシデントがありながら続投し、5年ぶりの完封勝利と伝えています。今季は9年目で初の開幕ローテ入り。もともとの実力は高く、問題は故障でしたが、そこを越えてローテに乗れたなら、今年は“再評価”ではなく本当にタイトル争いへ入る可能性があります。開幕2戦目でここまでの内容を見せたのはかなり大きいです。
